子の発達障害から繙く親の発達障害 夫の発達障害から繙く妻の...

発達障害

最近メディアで取り上げられることが多くなってきた発達障害。昨年の秋、ある出来事がきっかけで発達障害について医療機関の記事やSNS上の当事者たちの発信をもとに正しく知る努力をしてきました。生まれもったの特性であるとされ、誰もがその特性を多かれ少なかれ持っているということです。その特性の度合いが強く本人または一番身近な人の生活に支障がある場合は、診断のうえ発達障害ということになります。

私たち50代が育つ過程であったり、子育てをする段階で“発達障害”を耳にすることは、ほとんどありませんでした。例えば、融通の利かない頑固オヤジとか、育児に主体性がなく無関心なお父さんとか... 困った性格として扱われていたのかもしれません。
■ 夫の暴言・無関心...発達障害では?苦しんできた妻たち:朝日新聞

ネット環境の進化も伴い、現在では小さいうちに子の診断を仰ぐ親も少なくなく、2~3歳で診断がつく場合もある。本人目線に立てば、知るメリットと知らずにいるメリット両方あるように思う。が、就職・結婚を考えるのであれば正しく知るべきことのように思う。

ここで取り上げるのは、男女比8:1の“アスペルガー”と、男女比3:1の“ADHD”です。

自閉症スペクトラム ASD

2013年からアスペルガー症候群は、上の画像の赤い円にあるように4つの症状をまとめて自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ぶようになっています。ただ、似て非なるものなので、ここではアスペルガーと記述します。

今年(2019年)7月、自閉症スペクトラム障害 ASDの8割が遺伝であることがわかった。
これは、SNS上での当事者の背景に親の発達障害があることが多く納得できる数字です。

このことから、ひも解いて本質が見えてくることもある。例えば、子がASDの診断もしくは傾向が強い場合、父親(まれに母親)が同じASDである可能性が見えてくる。それまでモラハラや無関心など人格(性格)に問題があると思われてきたことが、実は生まれもった脳の特性によるものであったとわかる。母親は、子の特性に対しては柔軟でも、夫の特性に対しては厳しい傾向にある。アスペルガー尊大型

※ アスペルガー当事者のブログより抜粋

妻側が愛されていない...と想いこみ、夫に辛くあたってしまう。そのことで悪循環が生まれる。この愛されるモノサシは、自分のモノサシにすぎず、特にアスペルガーと知らずに生きてきた男性の場合は、共感性が乏しかったり、愛情とか信頼の意味がちゃんと認知できていない場合もある。

また、夫がアスペルガーだとわかった場合、妻(自分自身)もADHD傾向にあることが多い。子ども時代から生きづらさを感じていた場合は、ADHDの傾向があるかもしれません。どうして発達障害同士で惹かれ合うのか...多分、根っこの部分が似ているから。ただ、アスペルガーとADHDは正反対の気質があるため、結婚には相互理解がかかせないように思う。

定型発達者から見るアスペルガーは“違和感”として認識できますが、ADHD傾向がある人は、その認識があまりないようです。不思議です...

ADHD傾向の女性は、怒らない=愛情と思ってしまうところがあり、一見おだやかなアスペルガーに惹かれて結婚する人が多い。が、結婚すると、それは穏やかな愛情ではなく関心の範囲の狭さに気づいてしまう...そこからは苦悩の始まりです。

● アスペルガーの主な特徴は... (当事者発信のもの)

アスペルガー

● 孤立型・受動型・積極奇異型・尊大型・大仰型の特徴
● 発達障害:カサンドラ症候群について NHKハートネット
● 発達障害プロジェクト NHKハートネット

若い人の中には、アスペルガーを自覚し改善しようと努力しているアスペルガー当事者さんもいる。皆さんTwitterやブログの文章がしっかりしていて内容も充実している。コミュニケーションに不都合があるようには思えない。でも、目の前に人がいて、表情を読みながら話を聞き応答するというのが苦手。その最たるものが次から次へと話が展開する雑談です。

定型発達が良いというわけではありません。忖度したり、裏の裏を読んだり、噂話が好きだったり...そういう感覚がなく、シンプル思考がアスペルガーであったりします。